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十三夜茶会

平成27年10月25日(日)十三夜の日に茶会が行われました。担当は濃茶席で 第一席目は社中や関係者のみとし13:30から行いました。お客様は15:30から一席約13名前後のゆったりとした小寄せの会です。日没が17時頃だったので席中では第二席目からは手燭や行灯などを入れ 蝋燭明かりの中 全三碗を練りました。一席約一時間の計算で 17:30からは十三夜観月祭が行われ 祭事が終了する頃 辺りは真っ暗で丁度 十三夜の月が参会の皆様に楽しんでいただけました。     

今回の趣向はお客様の移動に際し 琴の音色を楽しんでいただこうと言うもの。    二台の琴にて 近在の先生が奏でて下さり ライトアップされた庭園に琴の音が漂いながら 縁台ではお客様が月を楽しんで下さりました。    

お客様からは 「風流なお茶に呼んでいただき ありがとう」と嬉しいお言葉をいただきました。 

さて茶席の方ですが 寄付には望月玉成筆の紅葉と小禽の図です。庭のもみじは未だ少ししか色づいてはおりませんので 多少早取りです。廊下は通路巾が狭い為 裸火は少々怖い為 最近のLED照明の蝋燭形状の物にて明かりをとりました。 本席の床は真伯筆 「祖意百草頭」。「明々百草の頭 明々師祖意」という言葉があるそうで 松江の明々庵というお城が見える高台に位置する茶室がありますがこちらも そこから取られたそうです。今回収穫に感謝をするこの時期 万物に祖先の気持ちが宿っていると解釈して使用してみました。香合は一啜斎好みで 土佐光貞が松を描いた物。秀山園は松が多い上 夜見る景色と一体になるような感覚での使用。花は席中にて蝋燭を使う為 石菖を飾りました。

釜は京大西初代浄林造霰撫肩釜。肩の部分に四方の段が付いていますが霰が非常に細かく良く出来ています。
風炉は九兵衛造の鐵の万代風炉。大振りな風炉で 炉にも風炉にも使える釜を懸けても大丈夫です。胴の部分にかすがいがあり 名残の季節に丁度良いかと思います。
今回は10月と言う季節を意識して 侘びた感じの取り合わせにしたく 一啜斎好みの梅棚(台目棚)を使用しました。広間を小間に見立てたかった為です。
水指は細い南蛮縄簾。
茶入は江戸後期の遠州流家元宗中の箱になる瀬戸の芋頭。
茶碗は好々斎が銘を初霜とつけた 了入造の黒茶碗。
替えの茶碗は流儀では馴染みの深い 宗入造 木守り写しの赤茶碗。
どちらも季節に丁度良いと思い使用しました。
茶杓は 十三夜(観月の)茶会なので 月のつきものと言われる雁と言う銘の茶杓を使用
しました。
主菓子は菓子屋の「名月」が何度も作り直してくれた 栗のきんとん菓子。
苦心をお客様に喜んでいただけたようでした。
 
ご来会いただきました皆様 有り難うございました。
 
以上

  寄  付
床  望月玉成筆 紅葉小禽図

  本  席
床  真伯筆一行 祖意百草頭 不徹斎箱
香合  一啜斎好 土佐光貞画 在判共箱
 炭斗  唐物底四方 直斎箱
 羽箒  縞梟
 火箸  鐵             浄益造
 鐶   菊唐草象嵌         寒薙造
 釜敷  時代籐組
花入  石菖鉢     
 花   石菖
釜  四方段霰撫肩釜         浄林造
 風炉  鐵万代屋風炉     西村九兵衛造
 先   結界
水指  南蛮細

 棚  一啜斎好
茶入  芋頭        小堀宗中箱
 袋   亡羊緞子
茶碗  黒 銘 初霜 好々斎箱     了入造
 副   赤 木守写 当代吉左衛門極 宗入造
 副   御本 銘 八重垣 不徹斎箱 
茶杓  直斎作 銘 雁 共筒
 蓋置  青竹
 建水    木地曲
御茶  巌の昔         柳桜園茶舗詰
菓子  奧山             名月調製
 器   縁高重
  以上

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